ファラデーの知の拠点ブログ〜独学のための学びのネットワーク〜

東京大学大学院教育学研究科で認知心理学をベースとした知識の関連づけに関する研究を行っていました。現在は物理を教えている高校・中学校教員です。読書を中心とした独学するための学びの指針を提示していきます。おすすめの書籍、参考書、問題集などの紹介が中心です。様々なトピックについて記述し、それに関連する本を紹介することによって、とある分野の知識と教養を効率的に身につけることができるガイドラインに、当ブログがなることを願っています。

今の時代を生きる人は必読の本。『日本再興戦略』落合陽一(著) 幻冬舎

『日本再興戦略』落合陽一(著) 幻冬舎

 

今話題の落合陽一先生の本です。メディアアーティスト、筑波大学准教授。

 

私は、落合陽一氏の本を5冊ほど読んでいますが、これが最初の1冊目でした。

 

「ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ」

 

熱い言葉ですね。

私がこうやって、ブログで学んだことを発信し続けていこうと思ったのも落合陽一氏の影響があります。教員だけやっていてもダメだと。とにかく発信し続けて、文章を何度も精査して、いつか世の人の智の道標となるようなブログにしたいです。

私は、学校外の活動(講習会の講師、本の執筆など)も年に20日程度やっています。複数の顔を持ってそれぞれを極めて、いつか私以外には替え効かない逸材となりたいです。

 

日本の未来についても考えるようになりました。AIと共存する未来。そして、日本はどうやって世界と付き合っていくのか。そもそも、日本の未来のことを考えるならば、日本のことを知らなくてはダメだと考え、日本史の勉強も始めました。この本の影響です。

 

士農工商」を復活させよという話も、私には響きました。

 

未来を生きる生徒を育てる我々教員にとっては、未来のことを考えつつ、普遍的な学問を大事にしつつ、そういった教育が大事かなと思っています。お子さんを持つ方にとってもこの本は、そういったことを考えるきっかけになる本だと思います。

 

<本の要約> 

第1章 欧米とは何か

欧米という言葉も使わず、欧州と米国と言うようになり、より日本の文化の輸入先(ルーツ)を考えられるようになりました。

欧州型でもない、米国型でもない、日本型イノベーションを定義しなければいけないという話は、本当に日本が生き残っていくために考えなければならないことだなぁと思いました。

 

第2章 日本とは何か

「ものづくり」へのリスペクトを回復せよという話が面白かった。確かに、何で新しいものを作る人よりも、お金を動かすホワイトカラーの方がお金を稼いでいるのだろうと思いました。

私は百の生業をもつ多動力のある「百姓」になりたいなと思いました!百姓ってただ農業をやる人という意味ではないんですね。初めて知りました!

この章を読んで、日本史の勉強をしようと思い立ち、以下の2冊の本を買って読んでいます。いずれレビューを書きたい!

 

『学びなおすと日本史はおもしろい』 吉村 弘 (著) ベレ出版

『山川 詳説日本史図録 第7版』詳説日本史図録編集委員会 (編集) 山川出版社

 

 

第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか

人工知能(AI)で変わる未来についてですね。私は、5Gが実現する未来にワクワクしました!

また、落合陽一氏が提唱する「デジタルネイチャー」という考えも出てきます。より深くデジタルネイチャーのことを知りたければ、以下の本があります。私も気になって読んでいます! 

 

『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』落合陽一 (著) PLANETS/第二次惑星開発委員会

 

第4章 日本再興のグランドデザイン

人口減少・高齢化はマイナスだと考えていましたが、それがむしろプラス(チャンス)であるとことに驚きました。ここにはその3つの理由が書かれています。 

 

第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)

これからの非中央集権化していく日本にとって、必要なリーダーというところが気になりました。 これからは何でもできる今までのリーダー(リーダー1.0)ではなく、愛されるリーダー(リーダー2.0)が必要であるという話が理解できます。

 

第6章 教育

新しい日本で必要な2つの能力は、「ポートフォリオマネジメント」と「金融的投資能力」だそうです。

また、MBAよりもアートという話を読んでから、私も美術や音楽に興味を持ち、展覧会やオーケストラなどのコンサートなどにも足を運ぶようになりました。

「英語力」よりも「日本語力」も納得がいきます。

ちなみに、私が日本語力(論理的思考力)を上げるのに重宝している本は、次の2冊です!

 

『新版 論理トレーニング (哲学教科書シリーズ) 』野矢 茂樹 (著) 産業図書

『論理トレーニング101題』野矢 茂樹 (著) 産業図書

 

 

第7章 会社・仕事・コミュニティ

落合氏の、ワークライフバランスではなく、「ワークアズライフ」という言葉には影響を受けています。

「ホワイトカラーおじさん」の生かし方には笑ってしまいましたが、なるほどなと思いました。いますよね、そういうおじさん(笑)

「自分探し」より、「自分ができること」から始める。ということで、このブログを書いてみています!

 

以上、書店でもずらーっと並んでいて今大人気の本ですが、私としてもおすすめの1冊です!

特に最近のビジネス書は、落合陽一氏と、堀江貴文の本が面白いですね。そこら辺のビジネス書と違って、突き刺さるものがあります

 

ファラデー