ファラデーの知の拠点ブログ〜独学のための学びのネットワーク〜

東京大学大学院教育学研究科で認知心理学をベースとした知識の関連づけに関する研究を行っていました。現在は物理を教えている高校・中学校教員です。読書を中心とした独学するための学びの指針を提示していきます。おすすめの書籍、参考書、問題集などの紹介が中心です。様々なトピックについて記述し、それに関連する本を紹介することによって、とある分野の知識と教養を効率的に身につけることができるガイドラインに、当ブログがなることを願っています。

仕事選びとこれからの働き方を考えるのにおすすめの本 落合陽一×堀江貴文『10年後の仕事図鑑』SB Creative

こんにちは、ファラデーです。

 

今回私が紹介する本は、

落合陽一×堀江貴文『10年後の仕事図鑑』SB Creative

 

です。

 

落合陽一氏と堀江貴文氏の話が交互に登場する、豪華な本です。

これからの時代を働くすべての世代の人に、一読してほしい本だと思いました。

特に高校生など、将来の進路選択をこれから控える人たちには、おすすめします。

 

この本は、1つ1つの話題はコンパクトにまとまっているので、この本を読んだ後に、落合陽一氏の『日本最高戦略』堀江貴文氏の『多動力』などを読むと、より理解が深まるのではないかと思いました。

 

 

1つの話題はコンパクトなのにも関わらず、ページ数は250ページあるので、1冊でとにかくたくさんの情報に触れることができるので、これからの働き方を考えるための指針となる1冊目にも適しているのではないかと思います。

 

<本のあらすじ>

Chapter0 激動の時代を生きるあなたへ

30年前は、こんなにインターネットが普及する時代が到来するなんて予想だにしなかったでしょう。

10年前は、人々がみんなスマホをいじり歩きスマホが問題になる未来なんて予想だにしなかったでしょう。

10年後は、私たちが考えを超えるような変革が待っているでしょう。

そんな激動の時代を生きるためには「自分自身に価値をつけ、フォロワーを獲得せよ」とのことです。自分自身に価値をつけるには、好きなことにどっぷりハマる、1つの職業だけにはまらないことです。

 

Chapter1 全てが逆転するこれからの働き方

      -組織から個人へ、労働から遊びへ

AIは、人間の目と耳に相当する機能は、相当発達してきています。顔認証やSiriを考えれば分かります。

この先一番の鍵になるのは、AIに手が生えたときである。その時、人間の単純労働は激減します。是非この観点は持っておいてほしいですね。

 雇用を千と千尋の神隠しに例えた、「会社における労働は、”湯婆婆に名前を奪われる”のに等しいという話がしっくりきました。

「組織に所属することが自分にとってまだまだ価値になるから、会社勤めもまだ悪くないな」くらいのマインドで働きたいと思った。

 

Chapter2 なくなる仕事・変わる仕事

「人間対人間」から、「人間対機械」へ。10年後になくなる仕事・減る仕事をイラスト付きで30職種ほどピックアップしています。特にホワイトカラーの仕事は代替されやすいですね。これから就職・転職を考える際には、参考にした方が良いです。

悲観的になるのではなく、「自分にしかできない状況を創り出せばよい」というマインドが書かれています。

 

Chapter3 生まれる仕事・伸びる仕事

 「個人経営のお店」と「一億総クリエイター時代」という観点は面白かったです。他に10職種くらい紹介されていますが、どれも押さえておきたいポイントだなという印象です。

Chapter2にせよChapter3にせよ、どの職業が云々というよりは、

「代替不可能な価値は、仕事ではなく趣味で生み出す」

「未開の地を拓くのは、いつだって人間である」

というような観点が重要であると思います。

 

 

Chapter4 お金の未来

      ー”マネー”としてのお金は廃れ、信用が価値を紡ぐ時代へ

歴史から見るお金の本質や、「持ち家信仰」「貯金」の歴史的なルーツなどの話も面白かったです。 

これからの時代は、お金を稼ぐというマインドではなく、信用を得るというマインドが

重要であるということが分かります。

 

Chapter5 日本の幸福と社会について

      -学校・高齢化社会・テクノロジーの未来を考える

「教育の無償化で日本はグローバル社会から遠ざかる」という警鐘は、私もじっくり考えてみようと思いました。

リンダ・グラットン氏が提唱している「LIFE SHIFTー100年時代の人生戦略」を、日本政府はモデルにして「人生100年時代構想」 を提唱しているそうだが、アメリカ・ヨーロッパの政策は日本には合わないという話が出てくる。

私は、リンダ・グラットン氏の書籍を読んだことがなかったので、読んでみようと思う。

『LIFE SHIFT』リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)

 

Chapter6 ピュアな情熱に導かれた”自分の人生”を生きよ

「波を待つな、自ら波を起こせ」

「遊ぶ、働く、学ぶの三位一体の生き方」

これらは心に響きました。

 

また、「写経好きになってはいけない」という言葉も教育に携わっているものとしては、考えなきゃいけない問題だと再認識しました。

小学生の頃にひたすら漢字練習帳に漢字を書き続けるという苦行がありましたよね(あれが苦行だと感じない人は、もしかしたらこれからの時代を生きるには危険かもしれません)。

高度経済成長期に工場でひたすら皆が同じ作業をして物を作る時代は終わっているのに、まだ小学校でひたすら同じ漢字を書き続けることが変わらず行われているのなら、教育を再考するべきだと思いました。

 

おわりに ポジティブに21世紀を拓くために

AIに仕事を奪われるなどと、悲観的になることはありません。落合氏と堀江氏は、新たに始まる世界を楽しむ視座を与えてくれます。 

 

この本が気になった方は↓をクリック

落合陽一×堀江貴文『10年後の仕事図鑑』SB Creative

 

ファラデー